震災を経験して10年。
仮設住宅は社会の縮図でありました。母子家庭の貧困・虐待、独居老人の孤独死、不登校、家族の喪失、農家の廃業、 親族間のいざこざ等。数え切れません。
その中で「もっと子供たちを笑顔に!」「親が笑顔だと子供も笑顔になれる!」と立ち上がった「宮前仮設親の会」が 当法人(虹色たんぽぽ)の前進となります。
2019年11月の法人設立後、2020年に活動を開始。
皆が集まれる場所を作る取り組みとしてサロンの開設をスタートし、病院や行政ではケアが 難しい被災者や課題を抱えている人たちへ相談業務を始めました。
虹色たんぽぽにかける想い。
虹色たんぽぽの根源となったものは、2008年、自分を大切に皆も大切に、一人一人かけがえのない存在なんだと 子供たちに伝えたい。助産師だからこそ出来る事があるのではと、仲間と「命の授業」のボランティア活動が始まり ました。
2011年、東日本大震災を経験し、泥の中から命の授業で使用する手作りの紙芝居を見つけた時の驚きと喜びは 忘れることはありません。
悲しくて辛いこの場所が少しずつ前を向く為に被災地を思い、何度も足を運んでくださったボランティアの みなさまの優しい心遣いは被災者である私にとって良い意味で心を揺さぶられる大きい存在でした。 震災がなければ、出会うことはなかったのですがら、ご縁とは時に心を豊かに強くする不思議なものです。 又、仮設住宅での子供たちの笑顔には、パワーを貰いました。お年寄りは過去に津波の経験があり、それでもここで 生きてきた。逞しさすら覚えました。
2018年にライフワークで、コミュニティナースになりました。病院でも行政でもない間の場所に白衣を着ない 看護師がコミュニティナース。友達として出会いお互いに助け合えるお節介。この被災地で、暮らしの身近な場所で 毎日の嬉しいと心と身体の健康と安心を作る活動が町を元気にするだろう、必要だと思い活動を続け、現在に至り ます。虹色たんぽぽの「みんなの保健室」は試行錯誤して、語れる、学べる、安らげる場所。ゆりかごから墓場まで、 誰でも気軽に訪れ健康相談が出来る「虹色たんぽぽみんなのお家」。
これから益々、地域の人が安心して集まり語らえる居場所に「お節介を焼く」が自然にできるようになり、 幸せや優しさが溢れますように。医療従事者の仲間と地域のお節介おばちゃん、おじいちゃん達と偉大なる お節介を目指して、10年後30年後の未来を信じて、種まきを虹色の花をさかせるように。そして全国へ優しい温かい 綿毛を飛ばし、必要とする人に届きますように。ここ亘理町から元気に、発信していきます。
鴫原 さとこ
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